館勝生展
2015年10月26日(月)-11月15日(日)
11:00-19:00 会期中無休
会場 | Yoshimi Arts
協力 | ギャラリー白
この度、Yoshimi Artsでは二回目となる館勝生展を開催致します。
コンセプチュアル、ミニマル、ニューペインティングが混在している中で、館勝生は、身体の感覚に一番近いところで出来る絵画を選びました。晩年にあたる2008年まで描き続け、その短い画業の中でも作品は変化していきました。
1990年代初めから、ハチと分かるような有機的な存在を用いて描いていますが、それまでの、絵具の色彩と物質感で描いていた抽象絵画とは、それらは全く違う作品のように思います。館勝生の実家は、はちみつ屋を営んでいて、花を求めて全国を回り、館も子供の頃同行し、自然の中で四季や朝夕の時間の移り変わりを肌で感じていました。その体験からインスパイアされ、抽象的な有機体を描くようになったと聞きます。その後、今回出品する1990年代中頃になると、ハチのようなモチーフが解体されて、その絵画の構造が画面全体に素早い筆勢で描かれるようになります。そして、2000年に入ると、激しい生命観を持ったような抽象的な有機体が現れるのと同時に大きな余白が出現します。その余白が時間を作り出し、その中でその有機体が浮遊し、また、その時間の中において、激しい有機体が限りある物に見えてきます。2006年までの余白部分は淡いパール色で薄く塗られ、少し絵具の物質感が感じられますが、2007年になると有機体が少し大きくなるのと同時に、余白に絵具を全く塗らなくなっており、時間が流れているのか、そうでないのか分からない空間を作り出している様に思います。
前回は、館勝生の晩年にあたる2008年の作品を4点展示致しましたが、今回は、1990年代から晩年までの遍歴を断片的ですが辿るように約5作品展示したいと考えております。館勝生が成そうとした事を、いま一度作品を通して考察出来ればと考えております。
*画像:「May. 28. 2008」 oil on canvas 1167×910mm
レビュー | 中井康之氏(国立国際美術館主任研究員)、ウェブマガジン「artscape」
http://artscape.jp/report/curator/10118977_1634.html
作家 略歴
館勝生 Katsuo Tachi |
1964 |
三重県生まれ |
1987 |
大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業 |
2009 |
44歳で死去 |
個展 |
1985 |
ギャラリー白(大阪)〈’87~’93,’95~'09〉 |
1991 |
永井祥子ギャラリーSOKO(東京) |
1992 |
ギャラリーOH(一宮) |
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ギャラリーVIEW(大阪) |
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ギャラリープランタン(松山) |
1993 |
細見画廊(東京) |
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ギャラリーαM(東京) |
1994 |
神戸西武百貨店(神戸) |
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イムラアートギャラリー(京都) |
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ギャラリーFUTABA(名古屋) |
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The Ufer! Gallery(京都) |
1996 |
第一生命南ギャラリー(東京)〈’03〉 |
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ギャラリーGORO(大阪) |
1997 |
Oギャラリー(東京)〈~’03,05~’09〉 |
1998 |
CTIウインドウギャラリー(東京) |
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原美術館-ハラドキュメンツ5(東京) |
|
ガレリアフィナルテ(名古屋)〈~’01,’03,’06,’09〉 |
1999 |
エスプリヌーボー(岡山)〈~’01,’03,’04〉 |
2001 |
三重県立美術館(三重) |
2002 |
ギャラリー千(大阪) |
2006 |
高島屋アートサロン(大阪) |
2008 |
甲南大学ギャルリーパンセ(神戸) |
グループ展 |
1986 |
IMPACT ART(韓国美術館・ソウル) |
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多様性の構築(石橋美術館・久留米) |
1987 |
私的な精神(大阪府立現代美術センター・大阪) |
1991 |
いま絵画は-OSAKA(大阪府立現代美術センター・大阪) |
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TAKE ART COLLECTION(スパイラル・東京) |
|
大阪現代アートフェア(大阪府立現代美術センター・大阪) |
1992 |
筆あとの誘惑(京都市美術館・京都) |
1994 |
現代美術の展望-VOCA’94(上野の森美術館・東京) |
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アートナウ’94-啓示と持続(兵庫県立近代美術館・神戸) |
|
現代美術の断面(現代ギャラリー・ソウル) |
1995 |
済州プレビエンナーレ’95(済州アートセンター・韓国) |
1996 |
美の予感(高島屋美術画廊・東京/横浜/京都/大阪) |
|
新鋭美術選抜展(京都市美術館・京都) |
|
SPIRIT & ENERGY(ワールドワークスファインアーツ・カルフォルニア) |
1997 |
現代美術の展望-VOCA’97(上野の森美術館・東京) |
|
CONTEMPLATIONS(ワールドワークスファインアーツ・カルフォルニア) |
1998 |
新鋭美術選抜展(京都市美術館・京都) |
2001 |
収蔵品展-新しいコレクションとシャガール全点公開(三重県立美術館・三重) |
2003 |
あるサラリーマン・コレクションの軌跡-戦後日本美術の場所 |
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(周南市美術博物館・山口、三鷹市美術ギャラリー・東京、福井県立美術館・福井) |
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京都・洋画の現在-85人の視点(京都文化博物館・京都) |
2004 |
第一生命ギャラリー所蔵作品展(第一生命南ギャラリー・東京) |
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VOCA1994~2003-10年の受賞作品展(大原美術館分館・岡山) |
2005 |
第一生命所蔵作品展(第一生命南ギャラリー・東京) |
2006 |
VOCA展に映し出された現代-いまいるところ/いまいるわたし(宇都宮美術館・栃木) |
2007 |
第一生命所蔵作品展(第一生命南ギャラリー・東京) |
2009 |
第28回損保ジャパン美術財団「選抜奨励展」(損保ジャパン東郷青児美術館・東京) |
2010 |
円と方 京都市美術館コレクション展第1期(京都市美術館・京都/愛知県美術館・愛知) |
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『ひろがるアート~現代美術入門篇~愛知・岐阜・三重 三重県立美術館共同企画』 |
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(三重県立美術館・三重) |
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コレクション2 近年の収蔵品を中心に(国立国際美術館・大阪) |
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碧南市藤井逹吉現代美術館所蔵作品展 鉄斎から現代まで(碧南市藤井逹吉美術館・愛知) |
2011 |
コレクション展 2011-春(和歌山県立近代美術館・和歌山) |
受賞歴 |
1994 |
現代美術の展望 VOCA展’94 奨励賞 |
コレクション |
三重県立美術館、第一生命保険相互会社、国立国際美術館、甲南大学、愛知県美術館、
和歌山県立近代美術館、碧南市藤井達吉現代美術館、京都市美術館 |
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