この度、Yoshimi Artsは、国際フォーラムにて開催されます「アートフェア東京」に参加する運びとなりました。今回も「Galleries」セクションに選出され、弊廊ブースにて「泉茂展」を開催致します。
泉茂は、戦後の大阪を代表する作家で、1951年「民主的な芸術構想」を探求すべく、瑛九とともにデモクラート美術協会を結成しました。1959年にニューヨークに渡り、それまで日本で描いてきた物語性のあるシュールな作品から、モチーフとしていたピーコックを抽象化させた作品に取り組みます。そして、63年にフランスに渡り、より抽象化とマチエールを意識し、同時にオートマチックに絵画を作る事を突き詰めたブルーの作品を完成。それ以降もストイックな制作態度を深め、日本人が描く表現主義的ではない抽象画を高度に達成した作家なのではないでしょうか。
今展では、1963年にフランスで描かれたブルーの作品から、突き詰めて実験する時代を経て、晩年の楽しむように制作することを意識的していたであろう1994年の大作と、その間の時代を辿るように作品をご紹介する予定です。戦後日本美術は、具体美術が世界的に取り上げられていますが、その周辺にも様々な作家やグループがあり、それらを見直す契機になればと考えております。