館勝生 1997-2006

 
 

Yoshimi Arts
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館勝生 1997-2006

2019年5月22日(水)-6月9日(日)
水-土11:00-19:00 日11:00-17:00
月・火・6/1(土)休
Yoshimi Arts

 

この度Yoshimi Artsは、弊廊にて3回目となる館勝生の展覧会「館勝生 1997-2006」を開催する運びとなりました。
コンセプチュアル、ミニマル、ニューペインティングが混在している中で、館勝生は、身体の感覚に一番近いところで出来る絵画を選びました。晩年にあたる2008年まで描き続け、その短い画業の中でも作品は変化していきました。1990年代初めからは、虫と分かるような有機的な存在を用いて描いていますが、それまでの、絵具の色彩と物質感で描いていた抽象絵画とは、それらは一線を画す作品のように思います。
館勝生の実家は養蜂場を営んでいて、館も子供の頃、花を求めて全国を回るのに同行し、自然の中で四季や朝夕の時間の移り変わりを肌で感じていました。その体験からインスパイアされ、虫を抽象的に描くようになったと聞きます。その後、1990年代中頃の作品になると、虫のようなモチーフが解体されて、絵画の構造が画面全体に立ちあがり、突然出現した球体が宇宙的な空間を作り出しています。それが2000年に入ると、激しい生命観を持ったような抽象化された有機体になり、それと共に大きな余白が出現します。その余白が時間を作り出し、時間の中において、浮遊する有機体が激しくも限りある物に見えてきます。また、2006年までの余白部分は淡いパール色で薄く塗られ、少し絵具の物質感がありますが、2007年になると有機体が少し大きくなるのと同時に、余白に絵具を全く塗らなくなっており、時間が流れているようにも、止まっているようにも感じられる空間へと展開しているように思います。
本展では、三重県立美術館で開催された個展「館勝生展」(2001)に出品された1990年代後半の大作2点と、大きく異なる展開を見せ始める2000年代前半の作品2点、そして、晩年への入口となる作品1点で構成する予定です。 是非ご高覧下さいます様お願い申し上げます。

画像|《July.23.2006》 2006 油彩、キャンバス 1620×1303mm(F100)

 

館勝生 TACHI Katsuo >>
1964 三重県生まれ
1987 大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業
2009 44歳で逝去
個展(生前)
1985 ギャラリー白(大阪)〈’87~’93,’95~'09〉
1991 永井祥子ギャラリーSOKO(東京)
1992 ギャラリーOH(一宮)
  ギャラリーVIEW(大阪)
  ギャラリープランタン(松山)
1993 細見画廊(東京)
  ギャラリーαM(東京)
1994 神戸西武百貨店(神戸)
  イムラアートギャラリー(京都)
  ギャラリーFUTABA(名古屋)
  The Ufer! Gallery(京都)
1996 第一生命南ギャラリー(東京)〈’03〉
  ギャラリーGORO(大阪)
1997 Oギャラリー(東京)〈~’03,05~’09〉
1998 CTIウインドウギャラリー(東京)
  原美術館-ハラドキュメンツ5(東京)
  ガレリアフィナルテ(名古屋)〈~’01,’03,’06,’09〉
1999 エスプリヌーボー(岡山)〈~’01,’03,’04〉
2001 三重県立美術館(三重)
2002 ギャラリー千(大阪)
2006 高島屋アートサロン(大阪)
2008 甲南大学ギャルリーパンセ(神戸)
主なグループ展
1986 IMPACT ART(韓国美術館/ソウル)
  多様性の構築(石橋美術館/久留米)
1987 私的な精神(大阪府立現代美術センター/大阪)
1991 いま絵画は-OSAKA(大阪府立現代美術センター/大阪)
  TAKE ART COLLECTION(スパイラル/東京)
  大阪現代アートフェア(大阪府立現代美術センター/大阪)
1992 筆あとの誘惑(京都市美術館/京都)
1994 現代美術の展望-VOCA’94(上野の森美術館/東京)
  アートナウ’94-啓示と持続(兵庫県立近代美術館/神戸)
  現代美術の断面(現代ギャラリー/ソウル)
1995 済州プレビエンナーレ’95(済州アートセンター/韓国)
1996 美の予感(高島屋美術画廊/東京、横浜、京都、大阪)
  新鋭美術選抜展(京都市美術館/京都)
  SPIRIT & ENERGY(ワールドワークスファインアーツ/カルフォルニア)
1997 現代美術の展望-VOCA’97(上野の森美術館/東京)
  CONTEMPLATIONS(ワールドワークスファインアーツ/カルフォルニア)
1998 新鋭美術選抜展(京都市美術館/京都)
2002 収蔵品展-新しいコレクションとシャガール全点公開(三重県立美術館/三重)
2003 あるサラリーマン・コレクションの軌跡-戦後日本美術の場所(周南市美術博物館/山口、三鷹市美術ギャラリー/東京、福井県立美術館/福井)
 
  京都・洋画の現在-85人の視点(京都文化博物館/京都)
2004 第一生命ギャラリー所蔵作品展(第一生命南ギャラリー/東京)
  VOCA1994~2003-10年の受賞作品展(大原美術館分館/岡山)
2005 第一生命所蔵作品展(第一生命南ギャラリー/東京)
2006 VOCA展に映し出された現代-いまいるところ/いまいるわたし(宇都宮美術館/栃木)
2007 第一生命所蔵作品展(第一生命南ギャラリー/東京)
 

開館15周年記念ー愛知・岐阜・三重 三重県立美術館共同企画 20世紀美術の森(愛知県美術館/愛知)

 
2009 第28回損保ジャパン美術財団「選抜奨励展」(損保ジャパン東郷青児美術館/東京)
  2009年度常設第1期展示-追悼 館勝生 (1964-2009) (三重県立美術館/三重)
2010 円と方 京都市美術館コレクション展第1期(京都市美術館/京都、愛知県美術館/愛知)
  ひろがるアート~現代美術入門篇~愛知・岐阜・三重 (三重県立美術館/三重)
  コレクション2 近年の収蔵品を中心に(国立国際美術館/大阪)
  碧南市藤井逹吉現代美術館所蔵作品展 鉄斎から現代まで(碧南市藤井逹吉美術館/愛知)
2011 コレクション展 2011-春(和歌山県立近代美術館/和歌山)
2012 国立国際美術館35周年記念展 コレクションの誘惑(国立国際美術館/大阪)
2017 開館35周年記念I ベスト・オブ・コレクション-美術館の名品(三重県立美術館/三重)
2018 県美プレミアム 県政150周年記念 ひょうご近代150年(兵庫県立美術館/兵庫)
  ニュー・ウェイヴ 現代美術の80年代(国立国際美術館/大阪)
受賞歴
1994 現代美術の展望 VOCA展’94 奨励賞
コレクション
三重県立美術館、第一生命保険相互会社、国立国際美術館、甲南大学、愛知県美術館、
和歌山県立近代美術館、碧南市藤井達吉現代美術館、京都市美術館、兵庫県立美術館