この度、Yoshimi Artsは、上出惠悟の個展「新蕉」を開催致します。本展は松坂屋名古屋店の美術画廊で今年9月に開催された展示をベースに再構築しています。これまで何度か身を置いた美術画廊という日本の百貨店の特殊な空間をYoshimi Arts内に再現し、その違和感を抽出しようという取り組みです。
上出惠悟は、「幽谷」(2011年)、「游谷」(2013年)、「硯海の貝」(2014年)のYoshimi Artsでの2014年までの個展や、2013年の「楽園創造(パラダイス)-芸術と日常の新地平- vol.3 上出 惠悟」(gallery αM)では、自身の出自である九谷焼に纏わるものを俯瞰的に捉え、東洋で始まった磁器の歴史を舞台にしながら、神話的とも言える手法で磁器が持つ時間と場所について考えました。
その後、「山の熊か、熊の山か」(松坂屋名古屋店美術画廊、2015年)、「熊居樹孔」(Yoshimi Arts、2016年)、「わすればなん」(東京日本橋髙島屋美術画廊X、2017年)、「磁彫展」(横浜髙島屋美術画廊、2018年・松坂屋名古屋店美術画廊、2019年)といった4年間の個展を通して、自身が置かれている環境や想いを熊と重ね合わせ、また東京藝術大学の卒展以来作り続けて来た甘蕉を突き放し、そして彫刻という上出が幼少期に学んだ手法で磁器という素材を用いることで、ひたすらに自身と向き合い、記憶という心の深い部分に触れようと試みました。
2019年の「第14回パラミタ陶芸大賞展」(パラミタミュージアム)や個展「静物/Still Life」(Yoshimi Arts)では、より彫刻としての磁器という考えを発展させ、上出長右衛門窯の製品をモチーフに無垢の作品を制作しました。また、パンデミックが起こった2020年の個展「0years」(Yoshimi Arts)では、普段では当たり前のように出来ていた人に会うということが困難になったことから、身体性を取り戻そうと様々な素材と向き合いながら、この時勢に応答する展覧会を行いました。
本展は、2017年「わすればなん」以来5年ぶり、弊廊では初めてとなる甘蕉作品の展覧会となります。上出は、東京藝術大学の卒展を前に1年休学し窯に戻り改めて磁器と向き合った時に、初めから九谷焼の歴史や技法を受け入れるのではなく、まず九谷焼の素材に触れる事を選択しました。その時、釉薬を施してない状態が果物や卵の質感に似ているという気付きから、甘蕉や卵の作品が生み出されました。物事を最初に取り組む時の初期衝動がもたらす素朴さや純粋性が宿った作品になったと考えられます。
甘蕉は、上出にとって作家としての根源的な作品になり、継続的に制作してきました。本展では、その甘蕉の新作を約10点発表致します。
上出 惠悟 KAMIDE Keigo >> |
1981 |
石川県に生まれる |
2006 |
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業 |
石川県在住 |
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個展 |
2022 |
「新蕉」 (松坂屋名古屋店 美術画廊/名古屋) |
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瓷板画展Ⅲ 「Under | Over」 (t.gallery/東京) |
2021 |
「Still Life」 (日本橋髙島屋S.C. 本館6階 美術画廊X/東京) |
2020 |
「0years」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
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「瓷板画展II THE HOUSE OUTSIDE THE HOUSE 家の外の家」 (t.gallery/東京) |
2019 |
「静物/Still Life」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
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「磁彫展」 (松坂屋名古屋店 美術画廊/名古屋) |
2018 |
「磁彫展」 (横浜髙島屋 美術画廊/横浜) |
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「声」 (t.gallery/東京) |
2017 |
「わすればなん」 (東京日本橋髙島屋 美術画廊X/東京) |
2016 |
「熊居樹孔」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
2015 |
「山の熊か、熊の山か」 (松坂屋名古屋店 美術画廊/名古屋) |
2014 |
「硯海の貝」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
2013 |
「楽園創造(パラダイス)-芸術と日常の新地平-vol.3 上出惠悟」 (gallery αM/東京) |
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「游谷」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
2012 |
「甘蕉」 (pARa:siTe/石川) |
2011 |
「幽谷」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
2010 |
「KUTANII CONNEXION」 (スパイラルガーデン/東京) |
2009 |
「美術と工芸」 (桜華書林/長野) |
2008 |
「様式」 (高木糀商店/石川) |
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「Para:sideB」 (pARa:siTe/石川) |
2007 |
「Para:sideA」 (pARa:siTe/石川) |
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グループ展 |
2022 |
「Insight 26 "connection"」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
2021 |
「高雅絢爛展―九谷焼の今―」(サイエンスヒルズこまつ/石川、キュレーション|国立工芸館 岩井美恵子) |
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「青 / BLUE」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
2020 |
10周年記念展 「Decade vol.2」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
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「水ヌルミ九谷ノ絵師ガ 都ヲ遊行シタ處」<えつけ 上出惠悟 かたち 尾花友久> (陶 翫粋/京都) |
2019 |
「開館15周年記念 現在地:未来の地図を描くために [2] 」 (金沢21世紀美術館/石川) |
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「名工 選「NEXT 九谷」」 (浅蔵五十吉美術館/石川<能美>) <KUTANism> |
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「カラフル・オーナメント・オブジェ・クタニ」 (九谷セラミック・ラボラトリー/石川<小松>) <KUTANism> |
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「第14回パラミタ陶芸大賞展」 (パラミタミュージアム/三重) |
2017 |
「特別展 伝統と創造 現代九谷焼の旗手たち」 (富山市佐藤記念美術館/富山) |
2015 |
「祥瑞図」 (髙島屋日本橋店美術画廊X/東京) |
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「5th Anniversary Festival !!」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
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「恋スル工芸展」 (黒部市美術館/富山県黒部市) >> |
2014 |
「"Material and Form" in a digital age」 (Yoshimi Arts/大阪) >> |
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「美の予感 2014 -Metamorphose-」 (髙島屋 美術画廊/京都、大阪、名古屋、新宿、日本橋) |
2013 |
「九谷我谷」 (G-WING'S gallery/金沢, 2014 艸居/京都) |
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「伝統を更新する「承」」 (銀座・和光/東京) |
2012 |
「Primitive [ in order ](秩序の中の原初)」 (Yoshimi Arts/大阪) |
2011 |
「Insight "Repetition/反復"」 (ART OSAKA - Yoshimi Arts/ホテルグラヴィア大阪/大阪) |
2010 |
「BASARA展」 (スパイラルガーデン/東京) |
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「第1回金沢・世界工芸トリエンナーレ」 (金沢21世紀美術館/金沢) |
2009 |
「医学と芸術展」 (森美術館/東京) |
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「植物のうつわ」 (G-WING’Sギャラリー/石川) |
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「Nowhere but Hayama Opening Exhibition」 (Nowhere but Hayama/神奈川) |
2008 |
「桐生再演14」 (桐生森芳工場/群馬) |
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「ハコ展」 (pARa:siTe/石川) |
2007 |
「桐生再演13」 (桐生森芳工場/群馬) |
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「Montblanc Young Artist Patronage in Japan」 (モンブラン銀座本店/東京) |
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九谷焼窯元 上出長右衛門窯 |
明治12年 |
石川県能美市に九谷焼問屋として創業 |
昭和44年 |
明治神宮御依頼による「花瓶」を献納の栄を賜る |
昭和58年 |
昭和天皇御来県の折、御使用の御器制作の栄を賜る |
平成5年 |
伝統的工芸品産業の振興への功績を讃えられ通商産業大臣表彰を受ける |
平成12年 |
沖縄サミットの折、首脳晩餐会の器に使用される |
平成15年 |
四代目、勲五等雙光旭日章を受く |
平成19年 |
「PUMA with MARUWAKA KUTANI」に参加。九谷焼で自転車の各パーツを製作する |
平成22年 |
東京スパイラルガーデンにて大規模な個展「上出・九谷・惠悟展 九谷焼コネクション」を開催する |
平成23年 |
スペイン人デザイナーのハイメ・アジョン氏を招聘し新しい食器のシリーズを製作。ミラノサローネ(イタリア)にて発表する |
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丸若屋と共に製作した髑髏のお菓子壺花詰が金沢21世紀美術館に収蔵される |
平成24年 |
常滑の急須職人益規氏と金沢茶房一笑にて二人展を開催する |
平成27年 |
フランス・パリnakaniwaにて海外初個展「“ORIGINS” KUTANI CHOEMON’s Journey」を開催する |
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「九谷 上出長右衛門窯展」 (岡山髙島屋 美術画廊/岡山) |
平成28年 |
歌舞伎役者の三代目中村勘太郎丈、二代目中村長三郎丈初舞台に際し記念品を製作 |
平成29年 |
瓦斯(ガス)窯導入五十年を記念し初窯祭を斎行 |
平成30年 |
デンマーク・Sing Tehusとドイツ・ Yodaの二箇所で展覧会を開催 |
令和元年 |
創業140年を迎え、金沢・美術倶楽部でKUTANI CONNEXIONを開催 |
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コレクション |
金沢21世紀美術館、
能美市、
Japigozzi Collection、
高橋龍太郎コレクション、MONTBLANC JAPAN |